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修理・修復(Moku-koubou Soutarou)

最終更新日:2015-03-17


2005-06-07
蓋新製後 ← 長火鉢用蓋の新製 ← 蓋新製前
(蓋新製後)                  (蓋新製前)


 数年前に、骨董屋で購入され、銅板の張り替えなどの修理をされ使用されている長火鉢の蓋を依頼され新製しました。
(当方で行ったのは、蓋の新製であり、修理ではありませんが、本体ありきの新製であり、欠品部品を作らせていただくことで、長火鉢としての修理が完了するという風に位置づけ、敢えて、修理・修復のページに搭載しました。


 実に良い作りの長火鉢で、本体は、木目の美しい
欅(ケヤキ)板を”蟻形組み接ぎ”にしてあり、縁(ヘリ)は、桜材の様な柾目の厚板を、”留め形通しホゾ割りクサビ止め接ぎ”となっていました。
(縁の材については、着色塗装を施してあるため、詳細不明。)

 ”蟻形組み接ぎ””留め形通しホゾ割りクサビ止め接ぎ”ともに、加工の難しい、高度な技術を要する加工です。

 骨董屋で購入した時点から、蓋が無く、ご主人が、日曜大工で作られたという蓋をのせ、今まで使われていました。


 まずは、寸法取りしてきた本体の図(絵)を書き、その絵に、蓋の構造(デザイン)案を書き加えていき、最終的構造を決定します。
(本品については、15通りの構造案を書き出し、その中から決定しました。)


 本体の材、作りを損なう事無く、デザイン的に違和感無いもの、そして、機能・強度的に適する構造ということを考え、本体と同じ”留め形通しホゾ割りクサビ止め接ぎ”とし、木目の美しい
の一枚板を腰板(コシイタ)としていれる構造としました。


 火鉢で蓋を使用するのは、当然、火が入っていない時ですが、火を消し、まだ、灰が熱を持っている時も有り、火鉢の蓋は過酷な熱や湿度の影響を受けます。
 このため、腰板の変形や割れ、留め痩せ(とめやせ)などの起こり難い構造にする必要があります。
 今回最終的に選択した構造は、留め痩せが起き難く、腰板の伸縮が自由であり、変形も置き難いものです。

 材は、全て
材の赤身部分だけ使い、腰板には、木目の美しい板目材を、枠には、柾目に近い板目材を使用しました。


 今まで使われていた蓋には、取っ手をつけてありましたが、テーブルとして使う場合、これが、非常に邪魔になります。
 本品は、枠のひとつの角の裏面を斜めに削ぎ落とすことにより、この角を押さえる事により、天秤式に反対側が持ち上がる様にしてあり、取っ手不要としています。



修理費用(価格):3万5百円(蓋の参考価格)


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