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木工四方山話(Moku-koubou Soutarou)

最終更新日:2005-06-10


No.010【木材の含水率を大まかに知るための計算方法】・・・2004-12-14


 ある同業者の方からのご質問に答えた内容を、木工をされる方の参考になるかと思い記載しておきます。


[計算方法]

 ある状態における木材の含水率を計算するには、気乾比重(含水率12%における比重)を資料などで調べ、使用するのが良いでしょう。

 含水率:P、ある木材の重量:M、全乾重量:M0とした場合その関係式は、含水率の定義より、
P=(M−M0)/M0・・・(式1)
です。

 乾燥時の体積の変化を無視しすると、重量の比=比重の比となりますから、ある木材の比重:γ、全乾比重:γ0とした場合、上記の関係式は、
P=(γ−γ0)/γ0・・・(式2)
となります。

 ここで、気乾状態(含水率12%)の比重γ12をこの式に当てはめると、
P12=(γ12−γ0)/γ0=12/100・・・(式3)
となり、
γ0=γ12/1.12・・・(式4)
となります。

 ちなみに、ある木材の体積をVとした場合、
M0=V・γ0・・・(式5)
です。


[計算例] 

M=3.5 kg・・・実測
V=5.4×10^6mm^3・・・実測(仮に900×200×30)
γ12=0.62・・・参考資料より

(式4)より
γ0=0.62/1.12=0.554

(式5)より
M0=5.4×10^6×0.554/10^6=2.99kg

(式1)より
P=(3.5−2.99)/2.99×100=17%・・・(答え)


[上記計算結果(精度など)について]

 乾燥時の体積の変化を無視していること、気乾比重も資料により幅があること、重量測定・体積測定に誤差があることなどを考え、あくまでも目安と考えた方がいいでしょう。

 計算の精度をあげるためには、乾燥時の体積の変化(平均収縮率)を考慮し、計算すれば、幾分精度は上がるでしょう。
 しかし、平均収縮率は、方向毎・樹種毎に異なり、非常に計算がややこしくなります。

 含水率の測定(計算)精度を比較したことありませんが、元来、それほど精度の良いものとは思えません。
 なぜなら、抵抗式含水率計の場合は、針と針の間と言う極僅かな部分の含水率の測定であり、高周波式含水率計の場合は、抵抗式より少し広い範囲の測定とはなりますが、上記計算と同じように、材の比重による補正をしなくてはいけないのですから。
 材の気乾比重など、資料によって値に幅がありますから。

(例:ブラックウォルナット・・・ある資料では、0.55.また、ある資料では、0.62)

 また、同じ材でも、一本一本、育ちが違うし、また、赤身と白太では、全然違いますから。

 改めて言いますが、測定にしろ計算にしろ、その結果の含水率は、あくまでも、目安です。
 傾向管理に使う程度のものと考えるべきでしょう。

 無垢の木の製品を製造する者として、含水率を意識することは、非常に大切なことですが。


(以上、ご質問に答えたメールより。一部、文面は、変更。)

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