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木工四方山話(Moku-koubou Soutarou)

最終更新日:2005-06-10


No.019【木工家のための強度学講座5(一端固定はりの強度などについて)】・・・2005-06-10
 
 今回は、一端固定はり(方持ちはり)について、記す。
 椅子やテーブルなどの脚などの強度を考える場合に活用できると思う。
(あくまでも、イメージを掴んでいただきたい。)

 この場合のモデル図、せん断力図、曲げモーメント図は、次の様になる。


 まず、せん断力によるはりの応力(τ)を考える。
 せん断力図に示した様に、せん断力(F)は、値のみを考えるとはり全体が同じ値W である。
(両端固定の場合の倍の値。)
 これより、せん断応力は、はりの断面積をSとすると、
τ=F/S=W/S・・・(12)
となる。

 次に、曲げモーメントによるはりの応力(σ)を考える。
 曲げモーメント図に示した様に、曲げモーメント(M)は、値のみを考えると、B点で最大となり、W・Lである。
(両端固定の場合の4倍の値。)
 これよる応力の値(σ)は、はりの上面(点)、下面(点)で、最大となり、
σ=M・y/I・・・(5)
となる。
(式は両端固定の場合と同じであるが、Mの値が違う。)

 ここで、きっちりと憶えていて欲しい事は、両端固定の場合とのせん断力、曲げモーメント力の違いである。
 せん断力(F)は倍、曲げモーメント(M)においては、4倍もの値になるのである。
 これが、方持ちはりの怖さである。

 デザイン重視で、椅子の脚に貫を設けず作っているあなた・・・本当に大丈夫ですか?
 貫を設けること、出来るだけ低い位置に設けることによって、方持ちはり部のスパン(L)を小さくでき、曲げモーメントを小さく出来るんですよ。

 ちなみに、はりのたわみ量は、両端固定の場合と同じで、荷重(W)とはりの長さ(L)の三乗に比例し、断面二次モーメント(I)に比例します。

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