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木工四方山話(Moku-koubou Soutarou)

最終更新日:2006-03-16


No.027【ペティ・ワークの整備方法他について】・・・2006-03-16


 知人より、中古のペティ・ワーク(株式会社協和製作所製軸傾斜小型万能横切盤)を整備する機会をいただきましたので、ここに、その内容を記しておきます。

 ペティ・ワークをご使用の方は、もちろん、多少のサイズ・構造の違いはあれど、他の軸傾斜横切盤をご使用の方の参考にもなると思います。
(厳密に言えば、他にも整備すべき点は、多くありますが、大まかな点のみの説明とさせていただきます。)


T.対象機種

 機種:ペティ・ワーク 300 WS
 製番:W 3121
 製造年月:不明(4〜5年前?)
 株式会社 協和製作所 岐阜

 とある公共の施設で、数年使用されて、その後、未使用で、数年保管されていたものと伺っています。
(使用者は、不特定多数の素人)


U.整備手順


@:注意事項

・安全に配慮し、感電、巻き込みなどの怪我をしない様に、注意して、自己責任で実施下さい。
(電源工事などは、資格を持った者に依頼の事。)


A:事前準備

・摺動部に潤滑材やオイル、グリスなどを、ボルト類などに浸透性潤滑材(556など)を塗布する。
(整備時に、ボルトなどは、緩める可能性が大きいく、完全に浸透するのには時間が係るため、出来るだけ早めに、塗布のこと。)

・安全カバなどを取り外す。
(整備時には、鋸刃を直接見たり、触ったりする必要があるため。)
(整備完了後、取り付けのこと。)
B:モーター(鋸軸)上下用スライドレール(剃刀刃、蟻形レール)の調整をする。


・鋸刃の出に関係なく、全ての位置で、モーター(鋸軸)を揺さぶってみて、ガタが無いようにすること。

・ガタがある状態では、他の如何なる個所の調整を行っても、無意味である。
(ハンドルの軽さを優先するのは、論外。ハンドルの軽さは、潤滑で対応の事。)

・上昇制限ストッパーを取り付けてあるボルトは、破損していないか?・・・下記『メーカーへの問い合わせ』を参照。
(今回、ボルトが破損していたので、交換しました。)
(ボルトが破損したままでは、ストッパーが利かず、モーターが、左テーブル下のカバーを突き上げる可能性あり。


【余談】
 この横切りは、モーター直結のため、モーターの回転数=鋸刃の回転数となる。
 三相モータの場合、その定格回転数Nは、モーターの極数をP、電源周波数をFとすると、以下の式で求められる。
N=120・ F/P
 モーターは、2極(2P)機であり、西日本の電源周波数は、60Hzであるため、
N=120・60/2=3600(rpm)
である。

 3×6(サブロク)クラスの横切りは、直結ではなく、ベルト掛けで、4極機(1800rpm、60Hzの場合)のモーターの回転を4500rpm程度まで上げて鋸刃を回転させているのに比べると、ペティ・ワークの回転数は、低いと考えられる。
 このためか、鋸刃は、刃数の割合多いもの(100p)が取り付けてあるようである。


C:鋸刃とテーブルの前後移動レールの平行度の調整。

・写真の様に、テーブル上に、ベニヤ板を置き、ベニヤの角を鋸刃(鋸身)に触れさせて、テーブルを前後させることにより確認する。

(ダイヤルゲーシがある場合は、それを使う方が良いのは、言うまでもない。)

・平行度が狂った状態で、今後の他の調整を行っても、無意味。

・狂っている場合の調整は、左の丸レール座固定ボルトを全てフリーとし、右の丸レール座固定ボルトを軽く緩めたり締めたりしながら微調整していく。

(微調整完了後、全ての丸レール座取付ボルトを締め、再度、平行度をチェックのこと。)


D:テーブルと鋸刃との位置関係の調整。

・テーブルは、傾いて移動していないか。
(調整は、テーブル取り付けボルトにて実施。
)

・左右のテーブルは、一平面となっているか。

・狂っている場合は、適切な方法で調整のこと。
(横切りを使われている方は、当然、知っておられると思いますので、詳しくは、説明しません。)


E:鋸刃と定規の直角度の調整。

・定規に当てて二枚のベニヤを切り、チェック。
(横切りを使われている方は、当然、知っておられると思いますので、詳しくは、説明しません。)

・狂っている場合の調整は、定規を止めてあるボルトの2本を残し、全てフリーとし、残した2本を軽く緩めたり締めたりしながら微調整していく。
(ペティ・ワークの定規は、アルミ製なので、ボルトを締めつけたままでの、無理な修正は、変形に繋がるので、注意のこと。)
(微調整完了後、全ての取付ボルトを締め、再度、直角度をチェックのこと。)


F:軸傾斜のチェック。

・0度位置決めボルトは、調整されているか?

・45度まで、確実に傾斜できるか?
(今回、鋸刃交換用カバーを取り付けている蝶ボルトが、本体フレームに接触し、傾斜できなかったため、蝶ボルトをナベネジに交換した。
・・・下記『メーカーへの問い合わせ』を参照。


V.その他

・写真の様に、ノックピン(この機械の場合は、Cピン)を打っている個所以外は、全て、調整場所(逆を言えば、狂う可能性がある)と考え、それぞれのボルトが何を固定し、緩めると、どう動くのか(どう狂うのか)を、自分の横切り(機械全般)については、意識して見る癖をつけておくと、加工の精度が出ない場合に、対応がしやすいと思います。

(ノックピンとは、位置決めのためのもので、メーカーが、調整後、同時加工で穴(リーマ)加工し、ピンを打ったものです。取り付け位置が動かず、また、分解した後に、取り付け位置の再現が出来る。)


・今回の整備において、技術的(設計的)疑問を感じた事項を、現在、メーカーに問い合わせ中ですので、その内容を以下に記しておきます。
(問い合わせ:2006.02.07。現時点、一ヶ月以上経っていますが、回答無し。回答がありましたら、追記します。)


−−−−−以下、メーカーへの問合せのメール−−−−−−

株式会社 協和製作所 T 殿

 お世話になっております。
 木工房 宗太郎の梅崎です。

 本日、TELさせていただきました件です。

 現在、当方にて下記の貴社製品を知人より依頼され、メンテ中です。
 つきましては、何点か疑問に思う点などがありますので、ご教示いただければ、幸いです。

T.対象機種

銘板:添付写真
をご参照下さい。

機種:ペティ・ワーク 300 WS
製番:W 3121
製造年月:不明(4〜5年前?)
株式会社 協和製作所 岐阜


U.モーター反負荷側カバーに書かれている数値について

 添付写真
をご参照下さい。

 モーターの反負荷(ブレーキ)側(ファン?)カバーに、マジックで、『0.005』と書かれています。
 貴社での製造時に書かれたものでしょうか?
 その場合、この数値が、何を表わすか、お教え下さい。
 (何かのクリアランス?)


V.軸傾斜時の接触について

 添付写真
をご参照下さい。

 軸傾斜させていく時に、45度の直前で急にハンドルが重くなるので、調査したところ、写真の様に、鋸刃カバーを止めている蝶ボルトと、本体フレームが接触していることが分りました。
 鋸刃交換時に外すカバーを止めるのは、蝶ボルトが標準でしょうか?
 それとも、出荷後、誰かが勝手に変えたものでしょうか?
 (蝶ボルトが標準の場合、今後、何らかの見直しが必要では?)


W.タップの用途について

 添付写真
及び、をご参照下さい。

 モータに取付けられたサポートと鋸刃カバに2個ずつ(計4個)のM6程度のタップが、ほぼ、同ピッチで、たっています。
 この4個のタップ(サポート)の用途は、何か、お教え下さい。
(輸送時に、モーター保護装置か何かを取付け?)
(タップ内の塗料の感じでは、使った形跡無し。)
(使用しないのであれば、このサポートは、無い方が良いと感じます。)


X.上ストッパー取付ボルトについて

 添付写真
をご参照下さい。

 モーター(鋸刃)を上下させるためのネジ(スタッド?ボルト?)の上端に、上方向の移動を制限するストッパーが、M6×15の皿ネジにて取付けてありましたが、その皿ネジのネジ山が、ほぼ完全に破損(なめて)していました。
 破損の原因は、前使用者が無理に、そして、何度も、ストッパーにあたったあとも、ハンドルを回したため、又は、勢い良く回して当てたためでしょう。
 めネジ側は、良さそうなので、M6×20の皿ネジに取り替えました。
 M6×15の皿ネジが標準でしょうか?
 その場合、一般的なボルト類の考え方では、M6×15の皿ネジで、充分なネジ山のかかりと言えますが、この様な破損が実際ある以上、見直しが必要では?(ボルト長さを長く)
 めネジ側は、M6×20の皿ネジに充分なタップ長さがたっている様です。
(M6×25の皿ネジでは、不完全ネジ部に当たる様で、締まりきりませんでした。)


Y.軸傾斜ストッパーについて

 添付写真
をご参照下さい。

 軸傾斜時のストッパーとなるボルトは、0度側のみ取付けられていて、45度側には無いのですが、これが標準ですか?
 オープション?
 ボルト取付タップ加工をする鋳物の座は、両方にあります。
 当方で、タップ加工して取付けようかとも思いますが、問題ありますか?


Z. 銘板の製造年月について

 再び、添付写真
をご参照下さい。

 現状、銘板の製造年月は読み取れませんので、テーキング(刻印)、または、印刷していないようですが、これが普通ですか?
 また、製番より、分るのであれば、お教え下さい。


[.取扱説明書について

 対象機の取説がございましたら、頂きたいのですが、無いでしょうか?
 今後の維持・管理に使用いたしますので、よろしくお願いいたします。


 以上、不躾ながら、質問(コメント)させていただきましたが、よろしく、ご教示(ご対応)のほど、お願いいたします。

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