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木工四方山話(Moku-koubou Soutarou)

最終更新日:2006-06-13


No.031【千切りについて】・・・2006-06-13


 木材同志の結合部や、板材の割れの部分に埋め込まれた上の写真の様な蝶々形(リボン形)の板片(木片)を千切り(ちぎり)と呼びます。


 元々の目的は、結合部の補強や、割れの進行防止のために埋め込むもので、黒檀(コクタン)や
紫檀(シタン)ブビンガなどという強い材で作くられます。

 但し、意匠的(デザイン的)価値も高いため、飾り(意匠)だけの目的で埋め込まれた、補強に全くなっていないものも、市販の家具には、多いのも事実です。
(手作り家具らしく見せるため?)


 千切りが補強や割れ防止に役立つためには、埋める場所を決める知識(木の特性を知る)とか、精巧な加工技術が必要となります。
 単なるデザインとして埋められた千切りのなかには、ひどいものもあり、むしろ無い方が良いのでは?と思えるものもあるので、ご注意を!


 以前見に行った、とある一枚板のテーブルの展示会では、粗悪な加工で千切りを埋め、加工レベルが低いため、大きな隙間が出来ており、その隙間を樹脂で埋め、誤魔化していました。

 千切りの機能を理解せず、手加工の下手な者が作ったテーブルです・・・と言っている様に、私には見えました。

 非常に奇麗で高価な欅の板の泣き声さえ聞こえてきそうでした。


 これから、千切りを入れ様としている、家具作家の方は、次の様な点をポイントと考えて、埋めて頂きたいと思います。
(折角の木材を泣かさないために・・・。)
 主に、木材の特性や、千切りの目的をきちんと理解し、考えれば、分かる事項だと思います。


@千切りの位置は適当か?

 ・木表に入れるべきか、木裏に入れるべきか、あるいは両方に入れるべきか。・・・板材の木目、反り止め方式や構造、荷重の係り方、などにより、臨機応変に決定のこと。

 ・留痩せ(トメヤセ)対策なら、内寄りにいれるべき。・・・留痩せの原理を理解のこと。

 ・材の端に寄り過ぎていないか?・・・寄り過ぎると、千切りを入れられる材のほうがもたない。

 ・割れが進行していく方向をシミュレーションし、位置を決定しているか?

 ・などなど


A千切りの大きさ・形状は、適当か?

 ・大き過ぎる千切りは、論外。・・・材同士を引っ張るどころか、材の痩せにより、突っ張ってしまう。

 ・蟻勾配は、適当か?

 ・首の太さは充分か?


B千切りとする材は、適当か?

 ・充分な強度を有した材か?

 ・木目の流れは良いか?・・・柾目が良いと勘違いしている家具作家のHPを以前、見たことがあったが、明らかに木の特性を理解していないなと感じました。


C加工技術、ノウハウは、充分か?

 ・精度の高い加工が出来ないのなら、まずは、腕を磨きなさい。

 ・どの個所をキカセ、どこをキカセないか、考えて加工のこと。


Dその他、多数・・・臨機応変に!

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